前回は「切り戻し再生」についてお話ししましたが、今回は整姿(せいし)について少しご紹介します。
植物は生長期に入り、芽吹きの季節となりました。冬の間頑張ってくれた葉は役目を終え、新しい葉が次々と出てきます。
とても喜ばしいことですが、葉や芽が増えすぎることで、樹形が重たく見えてしまうこともあります。
たとえば、芽が密集して伸びてしまうと、せっかくの美しい木姿が隠れてしまい、全体のバランスも崩れやすくなります。
そんな時に行うのが芽欠きです。
芽欠きとは、不要な芽を取り除き、伸ばしたい芽へ栄養を集中させる作業です。
今回は栄養の調整だけでなく、樹形を整える意味も兼ねて行っていきます。
今回、指で押さえている芽は、すぐ上の芽と並行して出ている芽です。
このまま大きく育つと、上の芽とぶつかり合ってしまうため、この芽はカットします。
また、真上に向かって伸びている芽は、将来的に上部の枝と干渉する可能性があります。
ただ、現時点ではまだ当たっておらず、取り除いてしまうと少し寂しい印象になります。
そのため、この芽は少し残し、葉が付いている少し上の位置でカットします。
すると葉と枝は残り、今後は切り口付近から横向きの芽が出てくるため、上の枝とぶつかりにくくなります。
なお、フィカス属の植物は剪定すると白い樹液が出ますので、ティッシュペーパーなどでしばらく押さえておきましょう。
さらに、上部ではせっかくの美しい曲がり樹形が、新しく伸びた葉によって隠れてしまっています。
ここも不要な枝を整理することで、幹のラインがしっかり見えるようになります。
特に上部は生長を優先する部分のため、芽吹きが多く、少し伸びただけでも葉同士が触れ合いやすくなります。
それぞれの芽が今後伸びても干渉しないものだけを残し、その他はカットしていきます。
植物は生長とともに姿が変わっていきますので、様子を見ながら不要な芽を少しずつ整えていくことが大切です。
今回はここまでで十分です。
いかがでしょうか。上がカット前、下がカット後です。
少しすっきりした印象になり、幹の美しいラインも見えるようになりました。
ここから新しい芽が伸びてくることで、より自然で整った樹形へと育っていきます。
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